不眠状態とは、①夜なかなか寝付けない②夜中に目が覚めてその後眠れなくなる③朝早くに目が覚めてしまう。などの状態がございます。
眠れないことで、「病気になるのではないか」「明日の行動が大変になるのでないか」など不安が大きくなり、ますます眠れなくなります。過剰な睡眠への欲求が、睡眠を意識させて不安を作ります。「眠らなきゃ」という気持ちと努力を排除して、緊張による悪循環を排除していくことが大切です。
悩みや不安など考え事が多いと眠りを妨げます。そんなときは体を動かすことでストレスを発散し、エネルギーを燃焼させることで、「うつ熱状態」から「発散」へと転化させます。散歩をしたり掃除をしたり筋トレなど何か自分に合った、少し疲労感を感じることが良いです。『思考>行動』のバランスを整えて、眠りにおける行動エネルギーの燃焼を促進させる事が重要です。
但し、不眠が続いている場合は、まず昼寝をしてエネルギーを蓄えた方がよいでしょう。昼夜逆転が続くと、エネルギーが枯渇してしまいます。
体は脳によってコントロールされております。コントロールするために必要な情報を集めるのが感覚器と呼ばれる器官です。目・耳・鼻・舌・皮膚などです。テレビ、パソコン、スマートフォン、高性能イヤホン等々、現代社会を取り巻く環境は感覚器を酷使するものばかりです。頭(特に脳)の疲労が増大すると、頭部が熱を帯びてきます。頭部熱は特に思考エネルギーの過剰燃焼が多くをもたらす状態で、頭部内熱『うつ熱』として停滞していきます。頭の内部に熱が発生すると、夜になって外気が下がっても、脳内熱は高い状態であるため、目が冴えていきます。こういう方は、逆に、日中外気温が高い時に眠くなります。いわゆる『昼夜逆転現象』が起こります。
頭部内熱に関しては、さまざまな不定愁訴の原因と関係があります。脳そのものが熱に弱いこともありますが、脳そのものが全身の機能を司っているため、脳のダメージが全身の機能に大きな影響を与えます。日常生活で多い頭部内熱は、晴眼疲労や思考によるこもり熱(脳のオーバーヒート)によるものが多いです。そして脳の機能低下による不定愁訴が起こります。とりあえず頭部内熱を下げることを目的にするのなら、直接おでこ(前頭葉)を冷やします。手軽に使える水枕などもありますが、思考など普段ストレスの掛かりやすい前頭葉を直接冷やす方が効果的です。まず小さめの保冷材などをカチカチに凍らせないように冷蔵庫で冷やして手ぬぐいなどで包みます。おでこを冷やすように頭に縛りつけます。ヘアバンドのように持続的に頭を締め付けない物の方が良いです。またアイスノンなどは冷やすよりも熱を取る目的ですので効果的ではありません。就寝時につけて頂いて、寝ている時に外れても問題ないです。もう一つ口呼吸にならないように、口に紙テープを張るのも効果的です。鼻で呼吸をすることで頭部内部を冷やす効果があります。とても効果的でお勧めです。
睡眠の質、頭部内熱を解消することは、現代社会においてはなかなか難しいと思います。脳内リズムをの回復を図るためには、前述した予防策と同時にリズムを調整し、適切な処置を施す事が必要となってきます。症状や付随する不安愁訴がございましたら、是非ご相談下さい。